グッドモーニン・ママ
諸君、元気にしているかな?今日は今朝あった出来事をお話しするよ。
悪夢
朝、目覚ましの音で体が勝手に動く。まだ夢の余韻が残っている中、いつものようにトイレに向かおうとしたその瞬間だった。
「あれ?妙に…違和感がある。」
いつもなら一気に目覚める便意が、なぜか今日は違う。何かが、どこかが、明らかにおかしい気がする。それが何かははっきりしないが、とにかくトイレへ急ぐべきだ。自分に言い聞かせながら、鏡の前を通り過ぎるその瞬間、視界に飛び込んできた。
「……ん?ちょっと待て」
鏡の前で自分を確認するために立ち止まる。目をこすり、もう一度見る。確かに、そこに異様な光景が広がっている。
「お、お尻が…割れてる!?なんだこれ、なんだこれぇ!」
いや、違う。そんなはずがない。お尻が割れているだなんて、何かの錯覚だ。自分のお尻は完璧だった。ずっと今まで一枚板のようにピンと張り、何の異常もなかったはずだ。それが、突然こんな風に割れているわけがない。夢でも見ているのかい?
お気に入りのバナナのスウェットを、おもむろに下ろし再確認。
「穴は…2ホール!?なんなんなんなんなん、だこれぇえ!」
「おい、24年間連続 1ホールだったじゃないか!」
鏡の前でパニックに陥りながらも、便意は着実に迫っている。しかし、そんな便意に気を取られている暇はない。お尻が割れている事実をまず否定しなければならない。それが何よりも重要だ。
「落ち着け…そうだ、昨日の夜、変な夢を見たせいかもしれない。夢のせいで、こういう錯覚をしているんだ。冷静になろう。トイレに行ったら、きっと何事もなかったように戻っているはずだ。」
そう自分に言い聞かせ、ゆっくりと鏡から離れる。しかし、お尻の割れ目のイメージが頭から離れない。もしかして本当に?いや、あり得ない!絶対にそんなことはない!
ビュビュ
「ああ、くそっ!なんでこんなタイミングで便意が…!」
焦る心を押さえつけながら、僕はトイレに向かう——。
僕のANALはショットガン
着座してから、体感72時間(15分)——。僕は震えていた。
このまま出して良いものか、2つの穴から同時に出るのは容易なのだ。
だが問題は、”ソレ”のその後の挙動である。
「螺旋階段パーティ」
そう、咄嗟に口から溢れたセリフと同時に僕の、ツーウェイから”ソレ”は既に着弾していた。
体感72時間で圧縮され続けた”ソレ”は純白の領域を0.000072sで、ボブサップカラーに染め上げた。
その刹那、音が遅れてやってくる——。
BO…BOOM!!
「きちゃぁ」
生きてゆくってこと。
スッキリはしたが——。
根本的な解決にはなっていない。
息を整え、なんとか便意を乗り越えた僕。冷や汗をぬぐいながらも、鏡に映る自分のお尻に再び視線をやる。まだ、そこには「2つの穴」が。
「このままじゃ、社会生活が危うぃ…」
焦燥感と謎の敗北感に襲われながら、スマホを取り出す。検索エンジンに「尻 急に割れた 治療」と入力してみると、意外にも検索候補がいくつか表示される。なぜか「あるある」ネタと一緒に笑いを誘うブログもある。
「…」
静かな覚悟を決め、鏡の中の「2ホールのお尻」を見つめる。これが新たな自分の姿なのだと、自分に言い聞かせた。
「まあ…これも、ありか…」
妙な安堵感とともに、これからどう生きていくかを考え始めたその瞬間、スマホの通知音が鳴った。画面には「あなたに新しい身体のアップデートが適用されました。詳細はアプリをご確認ください」の一文が。
「……アップデート?」
嫌な予感を感じつつ、アプリを開くと
「次のアップデート:頭に追加の左手が付きます」と記載されている。
「左!?」
なぜ右ではないのか理解が追いつかないまま、さらに不安が募る。お尻が2つに割れただけじゃ終わらないのか?まさか、体全体がこうして徐々に変わっていくのか?
ぼんやりとした不安の中、遠くで「次のアプデも、お楽しみに!」と明るい音声が響いた——。
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